2014年 秋の然別湖高所潜水とウチダザリガニ防除活動



 写真は然別湖で、水草が生えている場所です。

 二年前には、特定外来生物である「ウチダザリガニ」を、
 ほとんど見かける事がありませんでした。
 
 今年の秋、潜ってみてビックリです。

 そして、ハサミが無いと言うことは、

 ザリガニ同士の争いで喪失した事を示唆します。
 「他にも多く、ウチダザリガニがいるのでしょう。。」



★然別湖高所潜水&ウチダザリガニ防除潜水ツアーとは


 もう一度、おさらいとして、「何が問題なのか?」
 一言でいうと「もともといなかった生物が、もとの環境をこわしてしまう」
 と、言うことなのです。

 もともといた生物が姿を消してゆき、生物を育む水草が減衰し、

 自然のサイクルが壊れてしまう。それは自然の恩恵を受けて生活している地域
 社会にとって大きなダメージとなるのです。




 外来生物の3大原則として、

 「飼わない、捨てない、広めない」
 ですが、どれが外来生物で、何が問題で、環境はどうなっているのか?
 を知らないと、全く意味が解りません。

 私達ポセイドンでは、この「然別湖」にて、実際に潜水することで、

 水中環境を”継続的に”観察し、また、駆逐する事が困難ではありますが、
 広がりを少しでも防止する為の「防除活動」に協力し、現状を知ってもらう、

 「然別湖高所潜水&ウチダザリガニ防除潜水ツアー」


 を企画、実施しているのです。





★私達に出来る事、ダイバーにしか出来ない事


 今回の投稿で、


 ・然別湖は自然ゆたかな場所♪

 ・ダイビングは海だけではない☆
 ・ダイバーにしかできない水中活動!
 ・ウチダザリガニを防除する
 
 と言うことが、すこしでも知ってもらうことができ、
 ダイビング活動の目標になれば嬉しいです。





★今回のブログはこんなことを書いています


 1、然別湖の場所と環境

 2、ウチダザリガニ
 3、ウチダザリガニの潜水手取り
 4、高所潜水とレイクダイビング
 5、アクティビティとグルメ



★然別湖の場所と環境



 札幌から、道央自動車道〜道東自動車道を経て、十勝清水インターで降り、

 そこから鹿追町へ。約3時間30分ほどで、然別湖に到着します。



 道東自動車道を走っていると、だんだん景色が変わり、いかにも、

 「北海道」らしい景観が目に入ってきます。

 さらに、然別湖は湖面で約810mの高所域。




 道内で一番高い位置にある然別湖は「天空の湖」とも言われていて、

 アメリカ北西部やカナダを連想させる景観です。



 今回は9月下旬に開催しましたので、湖では紅葉が進んでいました。

 色鮮やかな木々は、秋の訪れを感じるとともに、美しい湖畔の風景を、
 より一層、引き立てています。

 また、然別湖は全域禁漁のため、釣りは出来ません。

 が、いま時期だけ、湖の半分が解禁となる為、フィッシングの方々、
 紅葉狩りの登山客等々、とても忙しい時期のようです。




★ウチダザリガニ





 ウチダザリガニは、昭和の時代に、食用として摩周湖へ入植されたらしく、
 その後周辺へ広がっていったと考えられています。
 入植した人も、ウチダザリガニも悪意があった訳ではありません。




 しかし、その繁殖力の強さから、もともといた在来種のニホンザリガニ
 などを駆逐してしまったり、水草が無くなってしまったりと、
 環境に与える影響が大きくなってしまいました。



 当時、結果はわかりません。
 ただ、現在は環境に影響が出てしまった事は確かです。
 人の手で壊してしまった自然を、人の手で回復させるのは困難です。

 しかしながら、そのままにする訳にもいきません。
 ウチダザリガニを駆逐(駆除)する事は難しくても、広がりを抑える、
 防除活動は「必要」です。

 ポセイドンでは、環境省、鹿追町が実施する防除活動に、
 潜水により参加しているのです。




★ウチダザリガニの潜水手取り





 ウチダザリガニを、潜水手取りするというと、いろいろ探しまわる
 ように思われがちですが、実際はそうではありません。

 潜ってみると解るのですが、20cmはあるウチダザリガニが、
 普通に水底を歩き回っている訳です。




 捕獲用のカゴを設置したり、鹿追町では、防除活動を行なっています。
 それでも、カゴでは獲りきれない部分もあり、
 また、直接水中を確認できないという事も事実です。




 潜水して環境を確認したり、カゴで獲りきれない個体を直接、
 手で捕獲したりと、ダイバーによる手取りは非常に有効です。




 しかしながら、ダイバーを雇い入れるには、様々なコスト等があり、
 難しい部分もあります。




 持続的にダイバーによる水中確認と、潜水手取りを行なう為に、
 環境も学ぶ事が出来て、かつ、レイクダイビングを楽しむ事も取り入れた、
 「然別湖 高所潜水&ウチダザリガニ防除活動ツアー」
 を、ポセイドンでは実施するに至った訳です。




 いつもと違ったダイビングを、然別湖では体験出来るので、楽しい!

 そして、地域にわずかでも貢献出来ることは、私たちにとって幸せです。



 捕獲したウチダザリガニは、数百と、ものすごい数になります。

 ほとんどは、然別湖畔の温泉で、かわいそうですが熱湯処分します。

 もともと「食用」で入れたザリガニですから、捕獲した幾つかを、
 尻尾を切り、背わたを抜いて息の根をとめ、その後ボイル等で、
 美味しく、命を戴くようにしています。




★高所潜水とレイクダイビング





 然別湖は、とてもキレイな湖です。
 水面からは、水底が見えます。



 しかし、水中からの透明度は、水面を覗いた時とは違います。
 プランクトンや、季節等による湧昇などで、透明度は落ち、
 プランクトンが青い色を吸収してしまうので、緑色の水中世界です。

 水底は泥質で、シルトが倒木等にも降り掛かっています。
 レイクダイビングで大切な事は、
 「中性浮力を維持する事」
 「シルトを巻き上げないフィンワーク」
 ですので、事前にトレーニングが必要です。


 動画のように、トリムを取り、足を上へ向ける事が基本になります。




 フィンキックも、小さいフロッグキック
 そして方向転換は、ヘリコプターターンを行ないます。

 捕獲する際に、シルトが巻き上がり、視界は更に悪くなります。
 なので、フィンによる巻き上げは、最小限度に留める事が求められます。

 また、水温は低く、9月で14℃です。
 ドライスーツが必要となり、熟練する事が、とても重要です。




 然別湖は、湖水面で約810mのため、高所潜水の知識が必要です。
 現地へ入ったときは、24時間以内に潜水していなくても、
 残留窒素がある状態になり、最初から反復潜水となります。

 初めての参加の場合は、高所潜水のレクチャーを行なってから、
 ダイビングを行なうようにしていただいています。

 そして、ダイブコンピュータは、必須アイテムとなります。


★アクティビティとグルメ




 然別湖では、養殖の「オショロコマ」を食べる事ができます。
 とても美味しいです☆



 然別湖には温泉ホテルが、風水さんと福原さんの2軒あります。
 レイクダイビングを楽しんだあとは、のんびり温泉で冷えた身体を暖め、
 美味しい食事を戴き、アフターもまた、楽しめるのです☆



 また、鹿追町は十勝にあり、イモ等の農作物や、鹿追牛などのお肉、
 そして、蕎麦がひじょうに美味しい!

 ダイビング、温泉、グルメと、楽しい事づくめですね☆



 それだけではありません。
 周りが大自然に囲まれた然別湖。
 カヌーなどで、様々なアクティビティを楽しむ事が出来ます。



 今回は、然別湖ネイチャーセンターさんによる、
 「エアトリップ」という、アクティビティにも参加しました。



 エアトリップは、自然観察ツアーです。
 ただ、普通の自然観察ツアーではありません。



 自然の中を歩きながら、ネイチャーセンターのインタープリターによる、
 目から鱗なお話を聴き、その野生生物になりきっての、
 「エアトリップ」なのですw



 動画にあるように、最初は然別湖で見ることができる、

 ルリボシヤンマ(トンボ)の説明を聴き、
 ルリボシヤンマの気持ちになって、エアトリップ!

 そのワイヤーに吊られての森林飛行は、スモールステップで、
 距離や高さ、時間が増してゆき、最初ドキドキしていたかたも、
 最後には、エアトリップの虜になってしまう、すごいアクティビティ!

 いつも思うのですが、ここ、然別湖ネイチャーセンターのガイドは、
 尊敬しちゃいます。うちのスタッフ研修を、お願いしちゃおうかな。

 とにかく、然別湖ツアーは、トータル的に楽しめる、
 とってもおすすめのツアーなのです。



★まとめ




 このブログ投稿の冒頭でお話しした、

 ・然別湖は自然ゆたかな場所♪
 ・ダイビングは海だけではない☆
 ・ダイバーにしかできない水中活動!
 ・ウチダザリガニを防除する

 を、知ってもらえましたでしょうか?

 とても自然豊かな然別湖。
 でも、確実にウチダザリガニの生息分布は広がっており、
 水草の群生などの、大切な環境か壊れかけています。

 少人数でのツアー開催ではありますが、ポセイドンでは今後も
 持続的に、開催するように努めて参ります。

 是非、ドライスーツ、ダイブコンピュータを用意し、
 トレーニングを行い、この楽しいツアーに参加下さい。

 きっと、皆様のダイビングライフも、より豊かになると思います。


 鹿追町観光協会のHP
 然別湖ネイチャーセンターのHP
 ポセイドンの然別湖ツアーのページ 

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