やればできるこ、なんだもん。高圧ガス試験の巻
またもや、ダイビングショップの裏側、スタッフの素顔というか、あまり言う人も書く人もいない内容をお見せいたします。
4月くらいにもブログで書きましたが、先日11月11日を以て、
「高圧ガス製造保安責任者 乙種機械 国家試験」が終了いたしました。
ポセイドンの充填所は、第一種製造所にあたりますが、1日の処理能力が1000立米未満なので、保安統括者等の選任不要。と言う事は特に資格が必要ではないんです。
ですが、ぎりぎりの処理能力で、今後規模を少しでも大きくすると、保安統括者や、有資格者から選任する保安係員が必要となる事も有り、また、専門的な知識と技術をより深くする必要性も有りますから、受験するに至ったわけです。
資格は様々ですが、空気のみでしたら丙種科学(特別科目)と言う資格で充分なのですが、例えばEANxを今後製造し、販売も行うとなると、他に第一種販売主任者資格が必要となります。現在他に丙種特別を持っている者が社内におりますので、この第一種販売を受験すれば良かったのですが、立場上どちらも欲しかった。
しかし試験日は同じなので、両方取得するのに2年かかります。そこで関係メーカーより勧められて乙種機械にランクアップし受験に至りました。乙種機械を取得すれば丙種特別も一種販売もカバーできるからです。経緯だけでも、読む気が萎えちゃうと思いますが、中にはご興味のある方もいらっしゃると思いますので、続けます(笑)
で、結果は1月7日に発表です。ですが、試験問題は持って帰ることができ、試験翌日には解答が発表されますので、合否はほぼ解るんですよね。
専門外の知識を必要としましたので、相当勉強には骨が折れました。本当に辛かったです。まずは5月に高圧ガス保安協会が開催する講習会を受講し、その検定試験に合格すれば、11月の国試で学識と保安管理の2科目が免除され、法令のみに集中する事ができる流れになっています。
ですが、その5月の検定試験、合格率は25%ほどなんです。。。
問題を少し掲載します。
学識問題:水力発電所において、水が落差60mの管内を落下して水車に衝突している。水の運動エネルギーがすべて熱エネルギーに変換された場合、水の温度上昇はおよそいくらか。ただし、水の比熱容量は4.19kJ/(kg K)で一定とし、諸損失はないものとする。
など、SI単位からはじまり、気体の性質(mol質量とか)、熱力学、流体力学、材料力学、爆発燃焼、、、、科学と物理です。ギリシャ文字連発でした。僕はまず小学算数、中学数学、高校科学と物理からやり直しました。
答えは W=m1gh Q=m2cΔt の式を使うんですけれど、 0.14Kになります。
こんなのばっかりの15問でした。
保安管理:金属材料に関する次の記述のうち正しいものはどれか。
イ、亜共折鋼は炭素含有量が0.77%を超える炭素鋼である。
ロ、炭素含有量が0.2%から0.8%までの焼きならした炭素鋼では、炭素含有量が増えるにしたがって、衝撃遷移温度は低下する。
ハ、Cr-Mo鋼の焼きもどし脆化は、鋼中のP、Asなどの不純物の量を低下させることで抑制することができる。
ニ、フェライト系高Cr鋼は、ある温度範囲に加熱されると常温での硬さが増し、伸びが減少し、脆くなることがある。
答えは ハ、ニ
なんだかね(笑)
もう、今年の前半はこんな勉強ばっかりしてました。げっそり、は、しなかったです。
結果は、学識が12/15の80%、保安管理が13/15の85% でなんとかクリア!!
そして、今年の夏を迎えるわけです。その間はお勉強STOP!
実質11月の国試勉強を始めたのは10月中旬くらいでしょうか。
法令なんて暗記だろうと、なめていました。。まんまとしっぺ返し喰らいました。
法律は、
高圧ガス保安法
高圧ガス保安法施行令
一般高圧ガス保安規則
液化石油ガス保安規則
コンビナート等保安規則
容器保安規則
告示と、めちゃ〜くちゃ範囲が広い。甘かった。。。
そんなに記憶能力、、無い!!
と、言う事で、11月11日を迎えるわけです。
場所は札幌科学技術専門学校。僕が非常勤講師として勤務している場所であり、母校でもあります。もう、ホームなんだか、アウェイなんだか、にっちもさっちもどうにもブルドックって感じですよ。
問題一例書きますからね!!最後迄読んでねっ!
問8から問13までの問題は、次の例による事業所に関するものである。
専らナフサを分解して、エチレン、プロピレン等を製造し、これらの高圧ガスを導管により他のコンビナート製造事業所に送り出すために、次に掲げる高圧ガスの製造施設(定置式製造設備であるもの)を有する事業所であって、コンビナート地域内にあるもの。
この事業者は認定完成検査実施者及び認定保安検査実施者である。
事業所全体の処理能力 :100000000立方メートル毎日
うち、可燃性ガス : 99500000立方メートル毎日
貯槽の貯蔵能力 液化エチレン :3000トン 3基
液化プロピレン:3000トン 3基
液化ブタジエン:2000トン 2基
導管 : エチレン、プロピレン及びブタジエンをそれぞれ送り出すもの。
問12 次のイロハの記述のうち、この事業所に適用される技術上の基準について正しいものはどれか。
イ、エチレンの製造施設は、その貯蔵設備及び処理設備の外面から、この事業所敷地外の保安のための宿直施設に対し、所定の距離を有しなければならないが、この事業所敷地内の保安のための宿直施設に対しては所定の距離を有すべき定めはない。
ロ、地盤面上に設置された液化エチレンの貯槽、液化プロピレンの貯槽及び液化ブタジエンの貯槽の外面の相互間に有すべき距離は、これらの貯槽の最大直径には関係なく、一律に1メートル以上と定められている。
ハ、保安区画内の高圧ガス設備(特に定めるものを除く)は、その燃焼熱量の数値が所定の数値以下であっても、その外面からその保安区画に隣接する保安区画内の高圧ガス設備(特に定めるものを除く)に対して30メートル以上の距離を有しなければならない。
答え イ、ハ
例だけでも、ブログ1回分の文字数に匹敵するような。。。
この問題はまだ解きやすいほうです。
こんなのばっかで20問ですよ。目が痛かったですよ。
結果は、、、なんと、、、16/20で80% なんとかこんとか、クリア!!
と、言う事で、マークシートにご記入が無い限り「合格!」
もう、死にものぐるいでしたよ。
でも、これだけは言えます。
「人は誰しも、本気でやれば、結果がついて来る」と言う事です。
僕はお勉強が苦手です。今思えば、中学の時は数学に癇癪をおこし、教科書は引き裂いて捨ててしまいました。(3ページ程で捨てました)
高校の時は、一生懸命記入して「今回は70点はいけるはず!」と思っていたら0点だった。高校卒業の時、働こうと思って岩見沢市の消防を受けたんですが、一次で敗退。
自分は頭が悪いから、体を使う仕事につこう。
なんて考えていた程です。
違いました。体が資本だろうが何だろうが、頭は必ず使います。
単に「本気度」の問題だったんです。当時は甘えていたんです。
自暴自棄になっちゃいけませんし、誰かさんのせいにしてもダメなんです。
自分のすべき事や自分がしたい事「理想」を切り拓くのは、結局自分自身と言う「現実」なんです。自立(自律)なんです。
自分もまだまだ「若輩者」ですが、次代を担う次世代の「極若輩者」に自分で道を切り拓く「あきらめない情熱」を持って、事に当たって欲しい。
選んだ仕事がダイビングインストラクターなら、尚の事です。
自分があきらめない心を持てば、トラブル時にあきらめないダイバーを育成出来るものと信じて止みません。そうあって欲しいと、切に思うのであります。
ところで、この熱いブログ、いま何J(ジュール)?? 笑
※J(ジュール)=N・m=m^2・kg・s^-2 仕事、熱量のSI組立単位です。
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