エンジェル・シェア
雪の中を漕ぎ、エントリー。 |
とうとう、北海道 札幌市でも、
ドカ雪が降ってしまいました。。。
一晩でこの量です。 |
排雪場所も、パワーもありません。。 |
10日(土)、11日(日)は、除雪作業に追われ、、
夏海は、ぐしょぐしょ防止の為、
ドライスーツを着ての奮戦。
平尾店長、夏海とも、風邪を患ってしまいました。
やっぱり、亜寒帯。
北海道なんだなぁ。
と、つくづく思い知った次第です。
さて、最低気温というと、
概ねマイナス6〜マイナス7℃
冬はさび〜な〜。。。
前にも書いたことがありますが、
気温が低下し、スクーバタンクも冷えると、
理想気体の状態変化から、呼吸できる量が減ってしまいます。
※詳しくは以前のブログ「寒冷地でのガスマネジメント」をご覧ください。
今回は、そんな話の中でも、
ちょっと「ほっこり」するようなお話をしたいと思います。
オクトパス |
●エア・シェア
皆さんは、バディがエア切れを起こした時、
もしくは、皆さんがエア切れを起こした時、
空気の共有「エア・シェア」をしますよね?
・セーフティ セカンド(オクトパス)ブリージング
・バディ ブリージング
・ポニーボトルなどの予備空気源
一番いいのは「エア切れ」を起こさないこと。
でも、万が一の時は、シェアできるように、
近くにバディがいることを常に確認する。
こういうことが大切です。
もちろん、バディ同士での定期的なトレーニングは必要です。
「分かち合おうね。」
これはバディの合言葉です♪
でも、エアシェアって、
実は、バディだけではないんです。。。ヨ。
天使降臨? |
●天使の分け前、エンジェルシェア
やっぱり寒い北の大地。
この間、弟子屈町(屈斜路湖)では
氷点下22℃。。。
なかなか、氷点下という言葉、
本州では聞きなれないかもしれません。
しかしながら、昼があれば夜もあるように、
陰と陽
夏があったり、暖かい地域があれば、
冬があったり、寒い地域もあり、
それは自然にとって、とても大切なことでもあります。
そう考えると、
氷点下という言葉も、
なかなか神秘的に聞こえてきます。
鳥取からの友人ご夫妻 |
スクーバタンクに充填されている、呼吸用ガス。
以前のブログでも書きましたように、
温度が冷えると、圧力が低下します。
圧力差で動作するダイビング用レギュレーターを介しての呼吸は、
夏に比べると、相対的に吸うことができる量が減少します。
気体圧力/絶対温度=一定 p / T = k
例 充填した時は200気圧でした。
温度は氷点下22℃でした。残圧の変化は?
答 200気圧 / (法定温度35℃+273) = p2 / (マイナス22℃+273)
p2 = 251 x 200 / 308
p2 = 163 気圧 となります。
気持ち的には150気圧以下に感じます。。。。
10Lタンクだった場合のヴォリュームは、
・35℃では 2000リットル
・氷点下22℃では 1630リットル
見ての通り、かなりざっくりいうと、約20%ほど、
全体の1/5が呼吸できないことになってしまいます。
実際には水温の方が高いので、そこまで減りませんけどね。
北海道っぽい。 |
これは、氷点下の天使への分け前分、
「エンジェル・シェア」と、言われています。
天使は、南国だけにいるわけではなく、
北国にも、もちろんいますし、
寒くなった天使は、人間と同じに、
産熱するために、多くのエネルギー代謝が必要です。
なので、天使もたくさん呼吸します。
わたくしたち、寒い地域のダイバーが使用するタンク、
残圧が減っているのは、「天使が呼吸するための分け前。」
なのです。
北国での残圧チェック。
「これ、エアが少ないよぉ〜!」と思った時、
「エンジェル・シェア」だと、思い出してください。
心がなんだか、ほっこりします。
きっと、その天使は、
あなたにそっと寄り添い、
冬のダイビングを楽しいものにしてくれるはずです。
この子、天に召されていました。。。 |
※タネあかし。
実は、ウイスキーが樽の中で熟成する時に、
揮発して、10年もすると、だいたい1/3〜1/4が減り、
その減った分は、天に昇り、天使が飲む分け前、
「エンジェル シェア」と言われているそうです。
それを見て、タンクの残圧も、こういう発想であれば、
なんだか、ほっこりするよなぁ。。と、
鳥取のブルーライン田後の山崎くんと話していました。
たまには、こういうのも、良いですよね☆
余市町のニッカウヰスキーにて |
余市12年。スモーキーで美味しい☆ |
ブルーライン田後の山崎くん(笑) |
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