潜水業務安全教育講習 トレーニング潜水編

 
 さて、2017年6月から更新が途絶えておりましたこのブログ。

 初期の頃は、会社の環境保全系ブログだったのですが、
 その後、お店の事を書くブログとなり、
 紆余曲折しながら、現在の真面目そうな?ブログになりました。

 今現在、私は「高圧空気製造所」と言う技術系の部署に在籍しており、
 高圧空気やEANxの製造、容器の再検査管理、高圧設備の保守整備、
 潜水器材のメインテナンス、そのほかリペアなど、
 ロジスティック(兵站)の管理を行なっております。

 その他、NAUIコースディレクターとして今まで実施して来ました、
 指導員育成や、潜水講習のアウトライン作成などの経験を活かし、
 充填業務の傍、「亜寒帯潜水技術研究所」と言うプロジェクトにおける
 潜水指導に関わる研究の専門委員として、社内外の指導も実施しています。

 亜寒帯潜水技術研究所についてはこちらをご覧ください。
 

 高圧ガス製造については、ブログの記事にする事が無く、
 レギュレーターのオーバーホールについても、
 啓蒙記事くらいしかありません。

 なので、このブログの題名の通り、
 「亜寒帯潜水技術研究所」の活動や、北海道の水中世界について、
 これからも可能な限り、つづって参りたいと思います。


●潜水業務 安全衛生教育講習の確立

2017年は事業推進本部から高圧ガス製造所へ異動となり、
 併せて、その高圧ガス製造所も、店舗等が管理下にある部署から、
 工事や調査の部署へ移行されたため、様々な取り決めを考えたり、
 更には高圧ガス設備の定期自主検査や開放検査などもあり、
 そこそこではありますが、立て込んでおりました。

 もちろん、
 亜寒帯潜水技術研究所としての活動や、
 社内 安全衛生委員会の活動も活発に行うことが出来、
 とても充実した1年でした。

 その亜寒帯潜水技術研究所の担当業務は先に述べたとおり、
 寒冷地、北海道における潜水指導、潜水技術、器材の研究や、
 潜水士向けの指導(潜水士試験準備対策講座も含む)
 そして、高気圧作業安全衛生規則などの法規的な指導です。

 これらは社内外へ向けたものですが、安全衛生委員会は、
 社内へ向けた保安教育や安全衛生教育、安全パトロールなどですから、
 亜寒帯潜水技術研究所の担当と、安全衛生委員会の内容は、
 非常に密接な関わりがある事になります。

 と、言う事で、これら私の日常業務である、
 ・水中呼吸用のガスについての安全指導
 ・北海道という寒冷地での潜水技術指導
 ・高気圧作業安全衛生規則などの法令遵守のチェック
 これらに、我が社が45年培って来た経験と実績を交え、

 「潜水業務 安全衛生教育講習」

 を、今までの潜水講習とは別のサービスとして、
 確立することが出来ました。

 守秘義務等もありますし、
 ご紹介できる範囲ではありますが、
 その一部をつづって見たいと思います。

 ご興味のある方は是非ご覧ください。
 また、導入をお考えいただける場合は、
 お気軽にお声掛けをお願いいたします。


●潜水業務 安全教育講習

労働安全衛生法では、義務付けられている教育や、
 事業場にて自主的に行う教育など様々あります。

 しかしながら、潜水というその特殊性を考えた時、
 定期的な自主訓練はもちろん重要ではありますが、
 専門家による定期的な指導も必須のものと考えています。

 誰もがスタートは初心者ですから、
 そこは、一般的なダイビング認定コースが
 システム的かつ教材的に優れていると思います。

 ここまでは、一般的なダイビングスクールや
 インストラクターでも指導を行えますが、
 潜水業務となると、基礎からの応用発展が求められます。

 ・環境要因
 ・資機材の運用方法
 ・法規

 これらに基づいて、定期的に提案と指導を行うことが、
 専門家による潜水業務の安全衛生教育と考えています。

 ご依頼いただきました中で、
 二つの消防署がございました。
 
 ただし、この二つの消防署。
 低水温という事を除けば、全く環境が異なります。


 一つ目の消防署。
 沿岸地域にあるため、基本的に港内での潜水です。
 ここでの問題点は、
 ・最初から視界不良潜水である事
 ・衛生上の問題も考えなければならない事
 でした。


 基礎的な訓練に関して致命的だった事は、
 スキルのデモンストレーションが見えない事でした。
 
 後日に、プールなどでの訓練をお勧めし、
 ロープやラインの水中での取り扱いや、
 潜る前のシミュレーションを含めた事前確認が、
 如何に重要なのか?を重点的に指導させていただきました。


 もう一つの消防署は内陸の湖にあります。
 ここは季節によりますが、
 基本的に視界は良好です。

 しかしながら、考えなければならない事は多々ありました。



 その一つは、湖という事で、水底が泥質であり、
 捜索時にフラッターキックを行えば、
 あっという間に視界ゼロになります。

 したがって、中性浮力とフロッグキックの訓練を
 重点的に行いました。


 大深度潜水(18m以深)で視界不良になると、
 目的達成が難しくなるどころか、
 隊員の危険度も増大します。

 冬になると、この湖は結氷しますし、
 更に危険度は増大しますから、
 リールなどを活用する事が大切になります。


 このほか、水中でのカッティング練習や、
 DECOタンクでの浮上停止訓練も実施いたしました。


 私たちの使命は、
 最新の知見に基づく提案を行い、
 隊員が安全に活動を行えるようになる事です。

 実際の場面で、
 リスクを負いながら活動されるのは隊員の皆様です。
 今回の安全教育講習が皆様のお役に立つことが出来たなら、
 とても嬉しく思いますが、

 一番良いのは、
 事故もなく、出動しなくても済む事ですね。
 

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