As for the diving, most are antinomy.


アンチノミー(Antinomy)、日本語では”二律背反”です。
今回は少し、真面目というか、
おそらくレジャーダイビング全般に言える”矛盾”を書いてみます。


6/15、6/16と、NAUIからの依頼で、北海道でのIQC(インストラクタークォリフィケィションコース/検定コースで、PADIで言うIE)を担当させていただきました。
もちろん参加者はPOSEIDONからでは有りません。


IQCを実施して行きながら、やはり僕はITC(インストラクタートレーニングコースで、合格するとIQCへ推薦され、IQCを合格するとインストラクターになることができる。PADIで言うIDC)を担当したいのだな。と、考えてしまうのです。


IQC(検定)とITC(教育)はそもそも本質が違うので、IQC中でもたくさん口を挟みたくなる衝動にかられるのですが、もちろん今回はそのような立場には無いので我慢です。

無事に合格し、今後のご活躍に期待をしている今日この頃です。

で、この2日間、参加者が少なかったので、色々考える時間がありました。

これからダイビングの安全普及を行う”インストラクター”を認定する業務でしたから、自然とレジャーダイビング業界の事を考えてしまいます。


  • インストラクター不足と言われているこの業界、労働条件等も絡む話しですが、先ずは楽しく夢の有る業界に、若手を増やして行きたい。
  • インストラクターのレベルやモラルの低下が目立つと言われているので、トレーニングや認定の基準などを締めて行きたい。
インストラクターの確保と言う領域では一致していますが、内容は全く異なります。

  • お客様の時間と金銭コストを出来る限り下げて多くのかたにダイビングを知ってもらいたい。
  • ダイビング事故を抑える為に、リスクを受け入れて戴き、トレーニング目標を引き上げたい(必然的にかかる日数が増える)
この二つは「認定カード(Cカード)」と言う足枷があり、さらに「ライセンス」と言う認識を広めてしまった為に、矛盾が大きくなっている。

ダイビングを気軽に低コストで知ってもらうのであれば「体験ダイビング」で良いわけで、さらに楽しみたいのであれば、それなりのリスクと対応出来る技術の習得が必要である事は、どんなかたでも理解出来るのですが、なぜか気軽に手っ取り早く「免許」をとれば潜れる。あとはインストラクターがなんとかする世界だよ。へいきへいき。と言うような風潮になっている。完全に間違った方向へ向いてしまっている。

正しく講習を行おうとすると、やはり日数的かつ料金的コストはかかる。
インストラクションは慈善事業ではないですし、それで生活をしている。
インストラクターも家庭があり、守るべき家族がいる。

しかしながら、適正価格で表示しても、周りの料金と比較されてしまい、

高い=暴利

と認識されてしまうことも、良く有る話しです。

ご自身のお仕事に置き換えたらいかがでしょうか?

明らかに矛盾している話しなのです。



  • 器材なんかだまされて買うもんじゃない。レンタルで充分。と先輩ダイバーに言われた。
  • その先輩ダイバーは結構良い器材を持っている。
良く有る話しです。
また、ネットで買って、使い方が良く解らないなど、失敗例を多く聞きます。が、成功例はあまり聞かないものですね。

そもそも、器材なんて何でも良いわけがないのがダイビングです。
きれいな海、可愛い生物の写真は人々の目を惹くもので、良いものだと思いますが、その撮影を支えている器材についてはあまり語られる事が無いものです。

ダイビングは、器材なくして行えるものではないですし、生命維持装置なわけなので、きちんと揃え、使い方も習い、地元の海で使用回数をこなして慣れる必要が有るものですから、安易な通信販売での購入は、インストラクターレベル以上の知識と経験が必要です。
そんなインストラクターにも、そのレベルが無い事は、そこまで至ったダイビングの教育レベルの低さ、私達ディレクターが悪いのです。反省しなければなりません。

明らかに昔と現在は社会背景も、顧客ニーズも変わっていて、
これからもどんどん変化するのでしょう。
いま、このレジャーダイビング業界も、転換期で有る事は間違いありません。



今の積丹ではコウナゴ(小女子)が水面に群れています。


先日、その小女子を戴きました。


早速茹でました。


おいしそ〜♪


そして、こうなる訳です(笑)
おいしかったです!!

  • きれいな海、もともとある自然の生態系を守りたい。
  • 水揚げ高を多く、豊かで大漁でありたい。
これも、海を利用する領域は同じですが、ある種、二律背反。

でも、この矛盾、必ず解決策は有ると思うんです。
ダイビングの二律背反も必ず解決策はあるでしょう。

これからのインストラクターは、このアンチノミー(二律背反)の解決策も含め、
「考えられる」業界人になっていただきたいと、強く願っています。


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