阿寒湖環境保全活動支援ダイビング 2015 in パンケトー
POSEIDONから、321kmほど離れた場所に位置し、
阿寒国立公園の特別保護区に指定されている”パンケトー”
11月14日〜15日
私たちは、阿寒湖環境保全活動の支援として、この地へ参りました。
然別湖での、ウチダザリガニ防除潜水同様、
地域の環境保全活動の支援として、阿寒湖においても
潜水技術協力、ダイバー育成、潜水中の安全管理等を実施しています。
主には、釧路市教育委員会マリモ研究室の保全活動の支援ですが、
14日は、環境省釧路自然環境事務所やマリモ研究室などによる、
パンケトー ウチダザリガニ駆除活動の支援で潜水いたしました。
15日は、マリモ保全活動の支援潜水で、マリモの状態観察です。
今回の活動で潜水するダイバーは、
・まずは地域の環境問題を理解し、また興味を持ち、
・長く活動を継続するためにもツアー形式による運営であることに納得し、
・恐れながら、私どもと一緒に潜り、一定の技量を確認させて頂いたかた
で構成させていただいております。
と、いう事で、14日のパンケトー、15日の阿寒湖での活動を、
2回に分けて、書いて参りたいと思います。
●阿寒湖到着
11月14日(土)天候は、曇のち雨。札幌を0700に出発し、5時間ほどで現地に到着。
観光インフォメーションセンターである”まりむ館”で、
お車で集合のメンバーと合流。
まずは、阿寒湖温泉街にて、昼食です。
ご当地萌えキャラ |
温泉が出ています。 |
観光バスから降りたわけではありません。 |
なにを食べようかな?
と、ワクワクしながら、温泉街を闊歩する。
エゾ鹿肉? アイヌ料理?
食事担当の平尾くん。
お得意のiPhone検索で、美味しそうなお店へ!
そして、向かう先々で、、、
Close、Close、またClose。。。(汗)
なんと、シーズンオフに当たるらしく、
ほとんどのお店がクローズ状態(涙)
おいしかったです |
時間が押してきたので、通りすがりのパン屋さん。
こういう活動ではまさかの、昼食パン屋さんでしたw
美味しかったですけど、思いの外、胃袋にずっしり。
そこで、ヨッチが「あ、まだまだ全然時間ありますね」
。。。いやいや、迷った挙句、結果的に時間ができただけなんだけど。。
飲食店街。。 |
そんなこんなで、パンをもぐもぐした後、
たたんでしまったお店を横目に、
阿寒湖畔エコミュージアムへ。
エコミュージアム |
●いよいよ秘境パンケトーへ
エコミュージアムでは、パンケトーの紹介、今回の活動の説明を受けます。パンケトーの周辺は、阿寒湖、ペンケトーと、
雄阿寒岳を中心に存在しています。
かつてはこの3つの湖、一つだったみたいです。
また、アイヌの伝説が面白いです。
ウィキペディアから抜粋させていただくと、
大雪山系のオプタテシケ山と雌阿寒岳は夫婦山だった。ところが喧嘩別れして、雌阿寒は実家に帰ってしまった。いつか恨みを晴らしてやろうと機会を伺う雌阿寒は、ある時ついに遠くのオプタテシケ目掛けて槍を投げつけた。それを見た十勝のヌプカウシ山が驚いて止めようとして、片方の耳を削られた。騒ぎを知ったオプタテシケは槍を投げ返して雌阿寒に命中させたので、今でも雌阿寒は傷から膿を流しているのだ。なお、槍を止めようと立ち上がったヌプカウシの居場所に水が溜まったのが然別湖である。 Wikipedia引用我々が保全活動支援ダイビングを行っている、
然別湖と阿寒湖のつながりが、こんな形で。
なんとも、運命的と言うか、ロマンチックでもあります。
パンケトーの名前も、
上流(ペンケ)の湖(トー)から、下流(パンケ)の湖(トー)
そして阿寒湖へ、水が流れます。
そういうことで、パンケトー(下流の湖)と言うわけなのです。
かわいい |
場所がわかりやすい |
その、パンケトーは、一般的に湖畔まで行けません。
特別保護区であり、車両の乗り入れは限られています。
その林道も、前田一歩園財団の管理となっています。
周辺は原生林のままで、野生のヒグマも生息しています。
原生林を行く |
少し砂利道を走ります |
パンケトーです |
パンケトーは、その特殊な地理的環境から、水草が多様で、
2000年以降の、日本の湖沼における水草多様性ランキングでも、
種数 第7位と、非常に多様な場所だったのですが、、、
パンケトー西部に2010年頃まで多く見られた水草群生地が、
2014年の調査では、何もない、ほぼ裸地化となってしまいました。
原因は、阿寒湖へ流出しているイベシベツ川を時間をかけて、
ウチダザリガニが登って来て、水草を食べてしまったと考えられます。
然別湖でも、ウチダザリガニと水草の関係が問題とされておりますが、
ここパンケトーでも、東部に残る水草の楽園を保全するために、
パークボランティアさんのカゴやタモでの捕獲駆除に加え、
私たちが、潜水手取りを行って、支援すると言うこととなったわけです。
秘境中の秘境”東部”は次回。
今回は”西部”をビーチからエントリーします。
サイドマウントで臨みます |
パンケトーのウチダザリガニ |
沈泥にうもれる |
確かに、秘境パンケトーに、若干でも水草の群生を期待していましたが、
やはり、なにも無い、沈泥の堆積する湖底となっておりました。
ヒメマスでしょうか? |
思いの外、ザリガニがいます |
着底不可の環境です。 |
迫力ある倒木 |
撮影してもらいました |
亡骸に付くウチダザリガニ |
水草も無くなり、餌が枯渇した状態のウチダザリガニ。
ヒメマスの力尽きた亡骸を、むさぼり食べる者も、
お互いを共食いする者もいる状態。
ウチダザリガニの卵 |
しかし、繁殖力が強く、生命力も強いウチダザリガニ。
なんらかの形で、水草の群生がある東部へ移動する可能性も。。
なんとか防がなければなりません。
今回の活動でも、ダイバーの潜水手取りは有効でした。
抱卵時期のザリガニ(メス)は、カゴなどに仕掛けた餌に誘引されず、
巣の近くでじっとしています。
したがって、カゴなどで、抱卵メスを捕獲するのは困難なのです。
ですが、我々ダイバーが多く捕獲したのは、
なんと!
抱卵メスが多かったのです。
抱卵時期をめがけて、集中的に潜水手取りを行う必要性がありますね。
50分ほどの潜水を終え、
遠くに雄阿寒岳を望みながら、
初日の活動を終了するのでした。
雄阿寒岳を望む |
大自然 |
イベシベツ川 |
計測中 |
エコミュージアムへ戻ると、パークボランティアの皆さんが、
サイズの計測を行っておりました。
抱卵しているザリガニ |
ちびすけも |
小さくても、ウチダザリガニ |
ボイルドレイクロブスター |
もちろん、せっかくの命。
茹でて、美味しく頂きました。
このパンケトーでの防除潜水、
今後も長く継続する必要性がありますね。
基本的に立ち入れないパンケトー。
とても有意義な潜水でした。 阿寒湖編に続く。
名産のワカサギ天ぷら |
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