海人の刈る 藻にすむ虫の 我からと ねをこそなかめ 世をばうらみじ


 ワレカラ、好きですか?

 私は、結構好きです。

 前回の投稿では、
 豊かな色彩の海藻、海草について書きました。

 今回は、その海藻に隠れる生物にクローズアップ。

 まずは、ワレカラをご覧ください。
  
頑張ってしがみつく

 褐藻類の海藻、エゾヤハズにくっついている、
 マルエラワレカラです。

 ワレカラとは、ヨコエビなどの仲間で、
 海藻や海草に、結構な数が棲息しています。

 潜水作業現場のお手伝いに出向いた時、
 網を引き上げる作業にて、無数のワレカラが、
 ワシャワシャ、、、ワシャワシャ、、、と。。。

現場帰りのスーツ

 このワレカラ自身、魚などの餌になるということで、
 藻場がある→ワレカラがいる→魚が食べる
 結果、たくさんいるということは、それだけ海が豊かということ。

 泳いでいて、いつも素通りするような、
 スガモ、ホンダワラ類、スジメ、などの海藻に、
 かなりの数が、ひっそり潜んでいるのです。

 ただ、ダイバーは、書いた通り「素通り」の場合も多く、
 意外と知らない方が多いのも事実です。

 「われから食わぬ上人なし」
 と云う、ことわざまで存在しているのに不思議で面白い。
 
 このことわざ、
 殺生や煩悩をさけて料理した精進料理を、徳の高い方が食べたとしても、
 知らず知らずにワレカラをも食べているものですよと云うことです。

 仏教の戒律とは言っても、完璧に行うには限界があるよ。
 と、いうような意味だったと思います。

 海藻を食べたり、海草から塩を精製したりと、
 ワレカラがたくさん住んでいる藻場を刈り取る訳なので、
 それは、仕方がないですよね。

数年前撮影のスガモ

 また、平安時代の「古今和歌集」にも、
 ワレカラを使った歌が詠まれていますし(ブログの表題)

 枕草子、伊勢物語にも、登場するんです。
 
 なお、乾いたり、焼いたりした際、
 殻が割れる様を見て、「割れ殻」となったようです。

乾燥してしまったワレカラ

 それだけ、昔の方々にも、密接に関わり、
 もじって歌を詠うくらい、当たり前に知られていたのでしょうね。

 私たちは、ダイバーです。
 イキイキとしたワレカラを、間近に見ることもできるのです。

二年前の撮影です
 
 ダイビングの楽しさはたくさんあります。
 珍しい魚、大きな生物、有名な場所、有名な、、、、、

 ここからは、全くの私的な考えです。
 「自分すごいでしょ?」アピールの度合いが、
 人間誰しも大きくなってしまいがちですが、
 特に、ダイバーは、周りの情報に流されやすいような気がします。

 ちょうど良い流され方だと、ドリフトダイビング。
 度を越してしまうと、「漂流」です。
 本来の目的を見失って、行動が漂流してしまったり。

 そこで、僕からのオススメです。
 ダイビングをたくさん経験したけれど、
 最近、なんだか意欲、潜水熱が上がらない。
 そういう時こそ、今時期の積丹美国へ潜っていただきたいです。

通過点に見えますか?豊かで優しい場所に見えますか?

 ダイビングの禅寺的な侘び寂びの2月。
 その中で、淡く鮮やかな海藻、海草をみながら、
 ひっそりと活躍しているワレカラを探す。

 そして、昔から、人や環境と関わってきた彼らを見て、
 1000年以上も前の平安時代から、繋がっているんだなぁ、、、
 地味な存在だけど、環境生態系では大切な役割を持っているんだなぁ。。。

 そんな感じで、ゆるく、ほっこりとしたダイビングでも、
 もの凄いパワーをもらえるものだと、私は感じているんです。

昨年撮影。大きかった。

 次回は、ゴッコの赤ちゃんを書きます。
 ☆ただいま、ポセイドンでは
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 2月、3月のテーマは「海藻とゴッコの赤ちゃん」
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