北海道大学 体育学 スノーケリング講座〜プール編
スノーケリング中の誤飲事故は、なかなか無くならない。
どんなスポーツでも、リスクは付き物ではあるものの、誤った状況判断と、道具の誤った使い方からくる事故は、減らす事が出来る。
言い換えると、正しい方法を普及させることが、事故減少へつながる。
北海道大学の体育授業で、スノーケリングを担当させていただき、今年4年目となる。
2014年度は、プール授業で4クラス分、約120名の学生へ、スノーケリングの普及を行なうことができた。
体育授業で、水泳ではなく、何故スノーケリングなのかと、疑問をもたれる方もいるかもしれない。一つの答えとして、スノーケリングは短期間で水に慣れ親しむことができる運動だからである。
国土の1/570が北大です。自転車でプールへ移動します。 |
動物のお医者さん(漫画)でおなじみの獣医学部。 |
水泳の有効性は、
- エネルギー代謝の促進
- 呼吸筋の強化
- 循環機能への効果
- 骨格筋の発達に役立つ効果
- 皮膚への刺激による効果
- 骨格の強化に有効
(日本赤十字社 水上安全法教本より抜粋)
と、健康増進に役立つ運動で知られており、また、関節に負担がかからないことから、どの年代にも支持されている。
但し、なかなかうまく泳げない方にとっては、非常に苦痛でもあるのは事実だ。自分も入社当時は全く泳げず、この先どうなるのか不安だったりもした。
浮く事が基本です。 |
泳げたほうが良い。しかしながら泳げない。
そんな時は、道具を使うことで、水に慣れ、また持続的に泳ぐ。
スノーケリングは、どなたでも、健康的に楽しめる運動なのである。
使用するマスク、スノーケル、フィン。 |
短い北海道の夏。海で泳ぐ事が極端に少ない地域ということも有り、北海道大学 教育学部 厚東芳樹准教授から、スクーバダイビングとスノーケリングを通じた、海での活動の協力依頼を請け、今年で6年目になる。(スノーケリング授業は4年目)
厚東准教授のプロフィールから、
「現実的に優れた実践者とそうでない者とがいる」とする現象のメカニズムの一端を解明することを研究目的としています。とりわけ、体育教師の実践的力量に視点をあてて検討していく中で、「専門職として教師はどう生きぬくべきか」を考えています。
とあり、私自身も、被験者として先生の研究に協力させていただいているw?
いずれにしても、とても愉快な先生で、この授業も年々人数が増えている。
学生は、元気いっぱいです。 |
この授業は、1.5時間×4回を、プールにて行い、海洋で1泊2日の合宿を行なう事で、学生は評価を得られる。
プールワークでは、
- 伏し浮き、仰向け浮き、ペットボトル等の浮力材の有効性、道具の装着、歩きかた、足の痙攣の対処、スノーケルクリア、マスククリア、立ち上がりかた、フィンキックの導入、フラッターキック
- フラッターキック、バックキック、サイドキックの導入とサーキットトレーニング
- ヘアキャリー、Do-Se-Do、フィンプッシュなど、バディ曳航
- ウェービングフォーム、ドルフィンキック、片フィンが脱げたときの対処
海洋では、プールでのトレーニングを基に、社会へ出た後も友人等へ安全に教えてあげられるようになる事を目標に、
- 初日はインストラクターによる、デモンストレーション、夜はグループミーティング
- 二日目はグループにて、指導のプレゼンテーションと、ペットボトルを利用したレスキューの実施。
以上の内容を行なっている。
ヘアキャリーの練習。サイドキックの習得を確認出来る。 |
バディを曳航することは、結構ハードなのだ。 |
フィンプッシュの練習。 |
ヘアキャリー、フィンプッシュのリレー。女子チームが1番速かった。 |
ただ延々と泳ぐのではつまらない。
憶えた技術で、リレー等のゲームも取り入れる。
また、上手に出来た時は、バディ同士褒めあうなど、協力体制、信頼関係の構築も重要である。
サーキットトレーニング中。最も体育授業らしいひと時。 |
そして、ただ楽しいだけではいけない。
道具の並べかた、参加意欲、全体的な動きや協調性も大切で、締めるところは締める。
メリハリがとても重要なのである。
それと、あまり細かく指導しない。
正直、ある程度、水も飲んでしまうことも。
どうしてだろう? どうしたらいいのだろう? 改善してみよう!
この経験が非常に重要だと思う訳である。
道具の使い方と、フィンワークを習得する。 |
2014年度も、先日7月22日をもって、プール授業終了。
7月20日、21日で、クラス1の海洋も終了。
残すところ、
クラス2(7月26日、27日)
クラス3(8月2日、3日) の海洋のみ。
授業ではあるものの、楽しい夏の想い出になって欲しい。
しばらく、一般の海洋へ参加出来ませんが、私の事、忘れないでちょうだいね!
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