Safety and Health Education for Fireman


 5月15日、16日の2日間、
 消防士向けの、安全衛生教育講習として、
 NAUIアドバンスドスクーバダイバーコースを実施しました。

 実践練習として、管轄の港内での訓練が多い中、
 様々な経験を積むことと、視界のある環境における第三者の評価を目的に、
 この安全衛生教育講習を行ったのでした。

フロッグキックでナビゲーション実施中

ナビゲーションは空気を多く消費します。

最近はのぞき窓が大きくて便利。

 
 今回の訓練は、NAUIのアドバンスドスクーバダイバーをベースに、
 より実践的なナビゲーションや、港内では経験できない大深度潜水、
 中性浮力とフロッグキックの確認を実施。

 初日1本目はコンパスを使ったナビゲーション、
 2本目は、空気消費量に基づく、潜水計画とナビゲーション。

 潜水範囲は、使用するタンクの給気可能時間と、
 最大潜水時間を比較し、いずれかの短い時間を基に、
 移動できる範囲、そして距離と角度を計画します。

 よくありがちな間違いとして、
 ダイブテーブルや、コンピューターの限界時間(NDL)だけを、
 潜水計画として考えてしまうことが挙げられます。

 これだけ潜れる! とか、
 これだけしかもぐれない。。とか。

 ADT(実際潜水時間)の計画において、
 NDL(MDT)以内であれば良いと勘違いを起こしてしまいがち。

 大切なことが抜けています。

 それは、どれだけ空気を消費し、
 どれだけ余力を残して、浮上してこられるか?
 なのです。


愛弟子の佐藤夏海(NAUI 57205)

ホソメコンブもきれいです。

バディ行動が基本です。

 
 ナビゲーションでは、予めコンパスの運用方法を練習し、
 その次は、空気消費量(RMV)に基づいた潜水範囲の計画を立てる。
 
 みなさんのADT(実際潜水時間)の計画は、
 きちんと、根拠のあるものですか?

 是非、POSEIDONのアドバンス、
 そして、ナビゲーションスペシャルティを受講ください。
 過去に受講された方も、是非参加してみてください。

 過去に比べ、指導方針も更新されています。


ヘラガ二(ヒラツメガニ)

コンパスをのぞく隊員。

隊員同士はロゴシーズで通信。

 
 二日目は、ディープダイビングとボートダイビングです。
 18mを越えると、ディープダイビングとなります。
 NAUIアドバンスドスクーバダイバーでは、30mまで。

 この日は、透明度や流れ、空気消費量による行動範囲を加味し、
 水深25mまでの範囲でコースを決め、いざ潜水。


休暇で遊びにきた夏海。

いざ大深度へ。

 
 ほぼ、予定通りの残圧で浮上することができました。
 計画は、やはり大切なものなのです。
 
 計画(Plan)はネガティブに。
 実施(Do)はポジティブに。
 評価(Check)はネガティブに。
 改善(Act)はポジティブに。

 これが、とても大切なのです。

 まさしく、陰陽の理なのです。
 これについては、次回のブログにて。


海藻スレスレをフロッグキック(デモ中)

これは私です(夏海撮影)

 
 4本目の潜水は、主に中性浮力とフロッグキックです。
 ボートダイビングと言うテーマではありますが、
 水中では、重要課題である「巻き上げない」泳ぎ方を訓練しました。


生物観察も基本的にホバリングで。

 
 シルトが巻き上がってしまう港内作業。
 サーチとレスキューが目的の消防士ですから、
 自らのフィンキックなどで、視界を低下させるのはNGです。

 目標は、水底スレスレを、
 中性浮力でトリム姿勢の制御を行い、
 フロッグキック、モディファイドフロッグキックなどで泳ぎます。

 港内での訓練では、デモンストレーションが見えなかったので、
 今回は講習効率も上がり、とても良かったです。


水面にて。

SMBの説明中。

海象に恵まれた二日間でした。

 
 私が担当している、
 ポセイドンの潜水技術エンジンである、
 亜寒帯潜水技術研究所。

 今回も、安全衛生教育講習として、
 アウトプットできたことに、感謝しつつ、
 隊員のみなさまのご活躍、
 さらには、地域の安全をお祈りする次第です。
 
 ポセイドン北海道ダイビングセンター
 亜寒帯潜水技術研究所 安全衛生教育専門委員
 工藤和由(NAUIコースディレクター 17113)

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