潜水器材のオーバーホールとNFA救急法、DAN酸素供給法


 楽しいダイビング。
 それは、備えることです。

 こんにちは。
 ポセイドン 工藤です。

 最近は、リフレッシュによる基礎的スキルの反復練習、
 取引先の安全衛生教育講習など、技術面の備えに加え、
 スクールの申し込みや、講習生のマイギア購入も増えてまいりました。

 マイギアは、様々な考え方もありますが、
 楽しいダイビングには欠かせないものです。

法人さまの学科講習風景

学生のスクーバ講習ガイダンス風景

 
 水中という、人間生活における、非日常の世界。
 呼吸用の空気、活動を行うための器材が欠かせません。
 
 よく、器材は命を預けるもの。と言いますが、
 器材は皆様の命を預かってはくれません。
 自分の命を守るのは、自分自身であり、器材は相棒です。

 器材という相棒との関係を良好にすることは、
 ダイビングに欠かせないということです。

 特別な世界である水中は、潜在的なリスクがあります。
 そこを、気の知れた、よくわかっている「相棒」の存在は、
 とても重要ということです。バディだけでは無いんですよ?相棒は。

 器材の使いやすさは、自分で見つけ出すものなのです。
 器材の調子は、よく触れ合っていないと解らないものです。
 器材に愛情を注がないダイバーは、器材に裏切られるものです。

 モノである限り、バディよりもわかりやすい存在でもあります。
 
 まとめますと、
 ダイビングは、器材とバディの、二つの大切な相棒がいるということと、
 両者に愛情を持って接することが、安全への第一歩ということです。

 さて、備えのお話に戻りますが、
 器材で安全に備えるということは、
 定期的な管理、オーバーホールが必要ということです。

一見キレイでも、内部は汚れています

 
 オーバーホールとメインテナンスの違いをざっくりいうと、

  オーバーホール:部品ごとに分解、洗浄、組み立て、調整
  メインテナンス:長持ちするように、正しくお手入れ、定期点検

 と、いうことなので、メインテナンスの中に、
 オーバーホールという選択肢があると思っていいです。

 私は現在、高圧空気充填所に勤務しています。
 弊社設備(第1種製造所)の運営、保安管理のほか、
 エンリッチドエアナイトロックスの製造、
 潜水器材のメインテナンスが主な業務です。

 分解してみると解るのです。
 意外と汚れていて、スムーズに動かないんじゃ無いかな?とか
 この器材を通した空気、吸いたく無いなぁ。。。とか。

 器材によるリスクは、
 ・排気バルブに異物が挟まったり、めくれていたりで水を飲む
 ・マウスピースの不具合により水を飲む
 ・ボディの割れなど、劣化や腐食による不具合
 ・圧力調整が行えずフローし、エア切れやパニック
 ・水の混入による異臭
 ・不衛生による雑菌繁殖
 などなど、考えると、結構あるものです。

ファーストステージを分解しました

まだキレイな方かな。。

これらをキレイに洗浄します

これは高圧シート。心臓部分です。

BCインフレーターの肩部バルブです

洗浄し、手磨きいたしました。ピカピカ

 
 弊社のオーバーホールは

 1、お預かり時の確認
  ・ホースの劣化状況
  ・マウスピースの劣化状況
  ・破損箇所等の確認
  ・中間圧力値の測定
  ・セカンドステージの呼吸抵抗値測定

 2、分解
  ・メインのセカンドステージ
  ・予備のセカンドステージ
  ・ファーストステージ
  ・ゲージのスイベル部
  ・BCインフレーター

 3、洗浄
  ・真鍮部分の緑青など、金属部分の洗浄
   ※9.5L 超音波洗浄機。食品グレードのクエン酸で洗浄
  ・シリコン、プラスティック部の手洗い作業
  ・手作業による拭き取り、乾燥

 4、組み立て
  ・基本的にメーカー推奨交換パーツを全て交換
  ・セカンドステージの組み立て、あたり付け
  ・ファーストステージの組み立て
  ・ゲージの組み立て
  ・BCインフレーターの組み立て
   ※グリースはメーカー指定のものを使用しています

 5、調整
  ・ファーストステージの中間圧力調整
   ※圧力をかけた状態でしばらく寝かせます
  ・セカンドステージの調整
   ※フロー圧力の調整と計測(機種によりますが概ね1.16~1.3MPa)
   ※呼吸抵抗値の計測(機種によりますが概ね30~45mmH2O)
  ・ゲージの気密検査
  ・BCインフレーターの正常作動、気密検査

 6、最終気密検査
  ・セットアップし、水槽へ浸け10分間確認

 7、乾燥、伝票作成、交換済みパーツ同封
 
 以上の行程に使用される空気は、EANxで使用する、
 二重に濾過したクリーンエアーを使用しております。

 また、クエン酸、超音波洗浄の必要ないと判断した部品は、
 綺麗に手磨きのみ行います。

よかったね!

 
 安全に楽しく潜るということは、
 こうして、正常動作する器材を備える。
 と、いうことでもあるんですよ。

 そして、万が一に備えることも重要です。
 そうです。救急法です。

更新講習の目標

真面目な二人

 
 私たち、インストラクターも、
 万が一に備えることは当たり前のことですが、
 救急法は皆様と同様に、更新講習を受講すること、
 意外と知られていない事実なのです。。

二人でのCPR

AEDの使用


 先日、インストラクターの、救急法更新講習と、
 DAN酸素供給法の更新講習を併せて実施いたしました。
 もちろん、日頃からトレーニングを行なっていますので、
 スムーズに実施できています。

 それでも、資格的に2年ごとに更新講習は、
 インストラクター資格を維持するための必須事項。
 二人とも、真剣に行なっていました☆

回復体位、実施中

酸素と多機能レギュレーター

2セット備えています

バッグバルブマスクも使用してみました

酸素も使用したCPR

突っ込みどころはありますが、まずまず。

触れないでください!

ぽちっ

その調子で

 
 楽しいダイビングのために、
 様々なことを思い、備える。

 みなさまも、是非とも、
 ダイビングのリスクを受け入れ、
 それに対し、備えるということをご理解くださいませ。

 インストラクターやガイドには、
 もちろん注意義務、責任がつきものではありますが、
 安全潜水を実践するのは、みなさま自身の責任なのです。


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